民法等の一部改正法(父母の離婚後などの子の養育に関する見直し)について

更新日:2026年01月27日

令和6年(2024年)5月17日に、父母が離婚した後も子どもの利益を確保することを目的として、民法等の一部改正法が成立しました。
この改正法は、子どもを養育する父母の責務を明確化するとともに、親権(単独親権、共同親権)、養育費などに関するルールが見直され、令和8年(2026年)4月1日から施行されます。

子どもの未来のための親権・養育費・親子交流などに関する民法改正の主なポイント

親の責務に関するルールの明確化

子どもの未来を担う親としての責任として、親権や婚姻関係があるかどうかに関わらず、子どもを育てる責任と義務についてのルールが明確にされました。

子どもの人格の尊重

子どもが心も体も元気でいられるように育てる責任があります。子どもの利益のため、意見をよく聞き、人格を尊重しなければなりません。

子どもの扶養

子どもを養う責任を指します。子どもが親と同じくらいの生活を送れる水準でなければなりません。

父母間の人格尊重・協力義務

子どものために、お互いを尊重して協力し合うことが大切です。

注意:次のようなことは、このルールに違反する場合があります。(暴力などや虐待から逃げることはルールに違反しません。)

  • 暴力や相手を怖がらせるような言動
  • 他方の親による子どもの世話を不当に邪魔すること
  • 理由なく子どもの住む場所を変えること
  • 約束した親子の交流を妨げること

親権に関するルールの見直し

1人だけが親権を持つ単独親権のほかに、離婚後に父母2人ともが親権を持つ共同親権の選択ができるようになります。

父母2人ともが親権を持つ共同親権の場合

毎日の生活に必要なこと、例えば食事や着る服を決めること、短い旅行、予防接種や習い事などは、父母のどちらかで決めることができます。

大切なことは父母2人で話し合う

子どもの住む場所を変えることや将来の進学先を決めること、心と体の健康に大きな影響を与える治療や子どものお金の管理などについては、父母が話し合って決められます。
なお、父母の意見が対立するときには、家庭裁判所で、父母のどちらかが1人でその事項を決められるようにする裁判を受けることもできます。

注意:父母間の合意がない場合は、裁判所が関与します。

一方の親が決められる緊急のケース

暴力などや虐待から逃れるために引っ越すこと、病気やけがで緊急の治療が必要な場合などは、父母のどちらも1人で決めることができます。

養育費の支払い確保に向けた変更点

子どもの生活を守るために、養育費を確実にしっかりと受け取れるように、新たなルールの創設やルールの見直しがおこなわれました。

取り決めの実効性アップ

文書で養育費の取り決めをしていれば、支払いが滞った場合にその文書をもって、一方の親の財産を差し押さえるための申立てができるようになります。

法定養育費とは

離婚時に養育費の取り決めがなくても、子どもと暮らす親が、子どもと暮らしていない親へ、子どもの養育費を請求できる制度です。離婚後も子どもの生活が守られるよう設けられました。養育費が決まるまでの暫定的、補充的なものです。

注意:法定養育費は、父母間で取り決めるべき養育費の標準額や下限額を定める趣旨のものではありません。

裁判手続きがスムーズに

家庭裁判所は、養育費に関する裁判手続きをスムーズに進めるために、収入情報の開示を命じることができることとしています。また、養育費を請求する民事執行の手続きでは、地方裁判所に対する1回の申立てで財産の開示、給与情報の提供、判明した給与の差し押さえに関する手続きをおこなうことができるようになります。

安全・安心な親子交流の実現に向けた見直し

子どものことを最優先に、親子交流や父母以外の親族との交流に関するルールが見直されました。

親子交流の試行的実施

家庭裁判所の手続き中に親子交流を試行的におこなうことができます。家庭裁判所は、子どものためを最優先に考え、実施が適切かどうかや調査が必要かなどを検討し実施をうながします。

婚姻中別居の親子交流

父母が婚姻中に子どもと別居している場合の親子交流は、子どものことを最優先に考えることを前提に、父母の協議で決め、決まらない時は家庭裁判所の審判などで決めることがルールとなります。

父母以外の親族と子どもの交流

祖父母など、子どもとの間に親子関係のような親しい関係があり、子どものために必要があるといった場合、家庭裁判所は、子どもが父母以外の親族との交流をおこなえるようにできます。

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