○阿久根市職員倫理条例

平成15年9月25日

条例第26号

(目的)

第1条 この条例は、本市職員が市民全体の奉仕者であって、その職務は市民から負託された公務であることを深く自覚し、職務を遂行するに当たって、常に自覚しなければならない公務員倫理の保持に関して必要な事項を定めるとともに、公正な職務の遂行を確保するために必要な措置を講ずることにより、市民の疑惑や不信を招くような行為の防止を図り、もって公務に対する市民の信頼を確保し、公正かつ民主的な市政の運営に資することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 職員 地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第3条第2項に規定する一般職に属する本市職員をいう。

(2) 任命権者 法第6条第1項に規定する任命権者をいう。

(4) 利害関係者 職員が職務として携わる事務の執行において、権限の行使の対象となる者であって、規則で定めるものをいう。

(5) 事業者等 法人(法人でない社団又は財団で、代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)その他の団体及び事業を行う個人(当該事業の利益のためにする行為を行う場合における個人に限る。)をいう。事業者等の利益のためにする行為を行う場合における役員、従業員、代理人その他の者についても同様とする。

(基本的心構え)

第3条 職員は、市民全体の奉仕者であって一部の奉仕者でないことを深く自覚し、自らを厳しく律することによって、市民から信頼される職員となるよう不断に公務員としての倫理の高揚に努めるとともに、常に公正な職務の遂行に当たらなければならない。

2 職員は、自らの行動が常に公務の信用に影響を及ぼすことを深く認識し、日常の行動について常に公私の別を明らかにし、職務やその地位を私的な利益のために用いてはならない。

3 職員は、利害関係者との間で、規則で定める禁止行為を行ってはならない。

(職員の責務)

第4条 職員は、適法かつ公正な職務の遂行を損なう行為を求める要求があったときは、これを拒否しなければならない。

2 職員は、前項の行為を求める要求があったとき、又は適法かつ公正な職務の遂行を損なうおそれがある行為を求める要求があったときは、速やかに所属の管理職員に報告しなければならない。

3 職員は、法第33条の規定に違反する行為があったときは、所属の管理職員を経由して任命権者に報告しなければならない。

(管理職員の責務)

第5条 管理職員は、率先垂範して服務規律の確保を図るとともに、その職務の重要性を自覚し、部下職員の公正な服務の確保に努め、その行動について適切に指導監督しなければならない。

2 管理職員は、部下職員から前条第2項の報告を受けたときは、適法かつ公正な職務の遂行を確保するために、必要な措置を講じなければならない。

3 前条第2項の報告を受けた管理職員は、当該報告の内容が適法かつ公正な職務の遂行を損なうおそれがあると認めたときは、当該報告の内容を任命権者に報告するとともに、阿久根市職員倫理委員会に報告しなければならない。前条第1項の行為を求める要求又は適法かつ公正な職務の遂行を損なうおそれがある行為を求める要求を管理職員自らが受けたときも同様とする。

(任命権者の責務)

第6条 任命権者は、公務員倫理の保持及び適法かつ公正な職務の遂行の確保に資するよう、職員への研修の実施、市民への情報公開及び本市に関係する事業者等への指導啓発を行うとともに、職員が遵守すべき事項を定める等必要な措置を講じなければならない。

(贈与等の報告)

第7条 管理職員は、利害関係者以外の事業者等から規則で定める価額の金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は供応接待(以下「贈与等」という。)を受けたときは、規則で定める事項を記載した贈与等報告書を行為があった日から14日以内に任命権者に提出しなければならない。

2 任命権者は、前項の規定により贈与等報告書の提出を受けたときは、当該贈与等報告書の写しを阿久根市職員倫理委員会に送付しなければならない。

(報告書の保存及び閲覧)

第8条 前条第1項の規定により提出された贈与等報告書は、これを受理した任命権者において、受理した日の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。

2 何人も、任命権者に対し、前項の規定により保存されている贈与等報告書(贈与等により受けた利益の価額が1件につき2万円を超える部分に限る。)の閲覧を請求することができる。ただし、公にすることにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の予防その他公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがある事項に係る部分については、この限りでない。

(倫理委員会の設置)

第9条 公務員倫理の保持及び服務規律の徹底を図り、適法かつ公正な職務の遂行を確保するため、阿久根市職員倫理委員会(以下「倫理委員会」という。)を設置する。

(倫理委員会の任務)

第10条 倫理委員会は、第5条第3項の規定による報告があった場合において、当該報告の内容が適法かつ公正な職務の遂行を損なう行為(以下「不当行為」という。)に該当すると認めたときは、速やかに必要な審査を行うものとする。

2 倫理委員会は、前項に定めるもののほか、次に掲げる事務を処理するものとする。

(1) 贈与等報告書の審査を行うこと。

(2) この条例の遵守のため、体制整備に関し、任命権者に助言を行うこと。

(倫理委員会の組織)

第11条 倫理委員会は、委員5人以内をもって組織する。

2 委員は、職員の職務遂行及び職務に係る倫理の保持に関して公正な判断をすることができ、公務員倫理に関し識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、再任を妨げない。

4 補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 倫理委員会に委員長を置き、委員の互選によりこれを定める。

6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、同様とする。

(倫理委員会の会議)

第12条 倫理委員会は、倫理委員会の委員長(以下「委員長」という。)が招集する。

2 倫理委員会は、委員の過半数が出席しなければ会議を開くことができない。

3 倫理委員会の議事は、出席した委員の過半数でこれを決し、可否同数のときは委員長の決するところによる。

4 委員長に事故があるとき、又は委員長が欠けたときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

(倫理委員会の審査)

第13条 倫理委員会は、第10条第1項及び第2項第1号の規定による審査のため必要があると認めるときは、第5条第3項の規定による報告をした管理職員若しくは関係者又は第7条第1項の規定による贈与等報告書を提出した管理職員に対し必要な資料の提出を求め、又はこれらの者の出席を求め、その説明若しくは意見を聴くことができる。

2 倫理委員会は、必要があると認めるときは、不当行為を行った疑いのある者に意見陳述の機会を与えるものとする。

3 前項の意見陳述は、口頭又は書面により行うものとする。

4 倫理委員会は、第10条第1項及び第2項第1号の規定による審査結果を任命権者に通知するものとする。

5 倫理委員会は、第10条第1項の規定による審査結果を第5条第3項の規定による報告をした管理職員に通知するものとする。

(倫理委員会の附帯意見)

第14条 倫理委員会は、不当行為が繰り返し行われ、適法かつ公正な職務の遂行が著しく損なわれる場合において、適法かつ公正な職務の遂行を確保するために不当行為を行った者に対して厳正な措置を講ずる必要があると認めるときは、前条第4項の規定による通知を行う際に、当該不当行為の内容の公表について、附帯意見として述べることができる。

2 前項の附帯意見では、公表の方法及び不当行為を行った者の氏名の公表の有無についても述べるものとする。

3 任命権者は、倫理委員会から公表の方法及び範囲について附帯意見が述べられたときは、当該附帯意見を尊重しなければならない。

(調査審議手続の非公開)

第15条 倫理委員会の行う調査審議の手続は、公開しない。

(審査結果の報告)

第16条 第13条第4項の規定による通知を受けた任命権者は、その旨を市長に報告しなければならない。

2 第13条第5項の規定による通知を受けた管理職員は、その旨を第4条第2項の規定による報告者に通知しなければならない。

(不当行為者への警告等)

第17条 市長は、前条第1項の規定による報告を受けたときは、必要に応じて、当該報告に基づき不当行為の行為者に対して警告を行うものとする。

2 市長は、第14条第1項の規定による附帯意見が述べられたときは、必要に応じて、市民への公表その他必要な措置を講ずるものとする。

3 市長又は水道事業管理者は、指名競争入札の参加資格を有する業者に対して第1項の警告を行ったときは、別に定めるところにより当該業者に対し指名停止その他必要な措置を講ずるものとする。

(違反職員に対する措置)

第18条 任命権者は、職員がこの条例の規定に違反したときは、その違反の程度に応じ懲戒処分又は訓告、注意等の人事管理上必要な措置を講ずるものとする。

(委任)

第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

1 この条例は、平成16年4月1日から施行する。

2 第7条の規定は、この条例の施行の日以後に受けた贈与等について適用する。

阿久根市職員倫理条例

平成15年9月25日 条例第26号

(平成16年4月1日施行)